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著作権の言葉は聞いたことがあるけど、詳しい内容は知らない。
訴えられないか不安だから、著作権について勉強しようかな。
こういった悩みに応える記事です。
Webライターの仕事を始めると「著作権」という言葉を目にする機会も増えます。
知らないとヤバそうだけど、何となくの知識でWebライターの仕事をしている人も多いでしょう。
ぼくも著作権の勉強はめんどうで後回しにしてました。
著作権について知らなくてもWebライターの仕事はできます。
ただし、取り返しのつかないリスクを抱えていることは事実です。
そこで本記事では、ややこしい著作権について小学生でも理解できるようにかみ砕いて解説しています。
著作権をいまいち理解できていない人は、最後まで読んでみてください。
著作権とは
「著作権」とは、著作物の作者がもつ権利のことです。
作品を許可なく利用されないようにするための権利で、著作権を守る法律を「著作権法」といいます。
ちょっとややこしいので整理します。
著作物 | 思想や感情を自分なりに表現したもの |
著作者 | 著作物を作った人 |
著作権 | 著作物の作者がもつ権利 |
著作権法 | 著作権を守る法律 |
著作権があるおかげでぼくたちは本や音楽、アニメや美術鑑賞などを楽しむことができます。
仮に著作権がなければパクリが横行し、著作者は制作意欲を失うおそれもあります。才能ある著作者を守り、文化の発展に貢献しているのが著作権です。
著作物
著作物とは何かをもう少し詳しく説明します。
著作権法によると、
著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
引用:公益社団法人著作権情報センター「著作権法第二条一」
何のこっちゃですが、簡単に言えば「思想や感情をパクリではなく自分なりに表現したもの」といったところでしょう。
著作物に上手い下手は関係なく、上記の定義に当てはまるものはすべて著作物です。
代表的な著作物は以下のようなものがあります。
- 書籍
- 小説
- 音楽
- 写真
- 絵画
- 映画
- アニメなど
ぼくたちの身近なところに、著作物は数多くあります。
著作権を侵害した場合の罰則
著作権を侵害した場合、記事の差し止めや損害賠償請求されるおそれがあります。
【個人】
引用:文化庁「14 著作権が「侵害」された場合の対抗措置」
10 年以下の懲役又は1000 万円以下の罰金
※あるいはその併科
【法人】
3 億円以下の罰金
かなり重い罰則ですよね。
訴えられたらダメージはでかいので、著作権を理解したうえで執筆作業をおこないましょう。
著作権を守る書き方【初心者Webライター必見】
ここでは著作権を侵害しないために、著作権を守る書き方について解説します。
- 引用の書き方
- 参考の書き方
- 出典の書き方
- 参照の書き方
- 転載の書き方
Webライターの仕事に関係あるのは、「引用」「参考」「出典」です。
「参照」「転載」は基本的に使わないので、読み飛ばしてもらってもOKです。
似たような言葉が並んでややこしいかもですが、わかりやすく解説します。
引用の書き方
引用とは、自分が書いている文章にほかの人の書いた文章をそのまま用いることです。
引用のルールは以下のとおり。
- 引用する文章をそのまま記載する
- 引用の出所を明記する
- 引用する必然性があること
- カギ括弧や引用タグなどを用いてどこが引用部分か区別する
- 引用している文章が「主」、引用される文章が「従」となるようにする
ポイントは、自分の記事の文章量を多くして、引用は一部に留めることです。
そして、引用した部分をカギ括弧や引用タグを用いて、自分が書いた文と引用した文をはっきり区別します。
引用の出所の明記は、以下から選べばOKです。
- 著作者名
- 出版社名
- 引用した論文の題名
- 引用した部分が掲載されているページ番号
参考の書き方
参考とは、執筆のために集めた資料や情報を参考にして、自分なりの言葉で文章を要約することです。
参考にした著作物がわかるように、著者名やWebサイト名、書籍やWebサイトのタイトルを明記しましょう。
資料や情報を参考にして文章を書くのはOKです。
しかし、文章の大半が参考元の内容だと「パクリ」と疑われるので、注意しましょう。
出典の書き方
出典とは、引用した文章の情報源となる文献を指します。
文章内で文献を引用した箇所がある場合、引用をした文献のタイトルや著者名などの詳細を、記事や論文の最後にまとめて記載します。
参照の書き方
参照とは、図やグラフなどを資料として照らし合わせることを指します。
参照と似ている「参考」は、文章や図、グラフといった資料にとどまらず、人の話などの見聞きしたことも対象としています。
参照であれ参考であれ、引用のように文章をそのまま記載するのではなく、自分の言葉で文章を書くことが求められます。
転載の書き方
引用と似ているのが「転載」です。
違いを一言でいえば「自分の著作物に対する他者の著作物の割合」が異なります。
つまり、記事のメインが自分の著作物であり、他者の著作物を補佐に使っている場合は引用。
反対に、他者の著作物をメインとし、補佐に自分の著作物を使っている場合は転載です。
Webライターが記事の執筆で転載を使う機会はないかと思うので、転載については覚えなくても問題ありません。
Webライターは知っておきたい!著作権を守るサイトの利用方法
ここでは、Webライターが著作権を守るためのサイトの利用方法について解説します。
引用や出典を用いるだけでなく、以下の点にも注意する必要があります。
- 画像の利用
- SNSやYouTubeの埋め込み
- Webサイトのスクリーンショット
「知らなかった」では済まさないように、利用方法を押さえておきましょう。
画像の利用
画像の無断利用は著作権を侵害しているのでNGです。
画像も著作物なので、基本的に著作者から許可を得る必要があります。
ただし、いちいち著作者から許可を得なくても、フリー素材サイトから画像をダウンロードするのであれば、許可を得る必要はありません。
注意点としては、フリー素材サイトから画像をダウンロードして使用する場合でも、利用規約は守る必要があります。
利用規約をチェックし、使用しても問題がないか確認してから使用するのが無難です。
ちなみに、人が写っている写真をそのまま使用すると、写ってる人の肖像権を侵害してしまいます。
そのため、人が写っている写真を使用するのはなるべく避けてください。
どうしても使いたい場合は、本人か特定できないようにモザイク加工をかけたり、本人に許可をもらってから使いましょう。
SNSやYouTubeの埋め込み
SNSやYouTubeを記事内に埋め込むのは著作権侵害にあたらないか気になる人もいると思いますが、許可がなくてOKです。
SNSやYouTubeの利用規約にも、埋め込み機能を使うことは承諾する旨が記載されています。
Webサイトのスクリーンショット
スクリーンショットを記事に利用するのは、著作権侵害になる可能性があります。
そのため、Webサイトの画像をスクリーンショットした場合は、出典を用いる必要があるので注意が必要です。
サイト名と記事のタイトル、出典元がわかるようにURLを添付しましょう。
執筆した記事を無断でポートフォリオに掲載するのは著作権侵害
執筆した記事をポートフォリオに掲載する機会があると思いますが、発注者の許可なくポートフォリオに掲載するのは、著作権侵害に該当します。
クライアントに著作権を譲渡すると、クリエイターは著作権を持たなくなります。ポートフォリオとしての公開でも複製権(著作権法21条)、公衆送信権(同23条)の対象になるので、著作権者であるクライアントの許可が必要となります。
引用:「著作権トラブル解決のバイブル! クリエイターのための権利の本」126ページ
訴えられる恐れもあるので、発注者の許可を取ってからポートフォリオに掲載してください。
許可が得られなかったら記事は載せずに、仕事の概要や担当業務のみ記載しましょう。
まとめ:Webライターは著作権侵害に注意しよう!
Webライターが気をつけるべき著作権について解説しました。
この記事の要点を以下にまとめます。
- 著作権とは著作物の作者がもつ権利
- Webライターがおもに使うのは「引用」「参考」「出典」
- SNSやYouTubeの埋め込みなら許可を得るのは不要
- Webサイトのスクリーンショットは出典元を明記する
- 執筆した記事を無断で掲載するのは禁止
Webライターは著作権の内容を押さえておく必要があります。著作権を違反してから「知らなかった」では済まされません。
著作権について理解しきれていない人は、この記事の内容を参考にして著作権の理解を深めましょう。
著作権以外にもWebライターの勉強をしたい人は、以下の記事を読んでみてください。初心者Webライターにおすすめの勉強方法を解説しています。
CRIC「みんなのための著作権教室」
大串肇, 北村崇, 染谷昌利, 古賀海人, 齋木弘樹, 木村剛大, 角田綾佳「著作権トラブル解決のバイブル! クリエイターのための権利の本」株式会社ボーンデジタル、2018
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